この日の演説・シュプレヒコール

「・・・今世紀最大の悪徳代議士は小沢一郎であります。いや、日本歴史上、最悪であります。その目的は権力を握ること、政権をとることにあります。果たしてその野望は、国民のためになるのでしょうか。野望達成のためには、金がいると、せっせ、せっせと、西松建設に見られるように、談合を繰り返してまいりました。小沢一郎の目指す、権力構造の一端が昨年見え隠れいたしました。自らが名誉団長となり、民主党の国会議員140人を含む、過去最大の630人を引き連れて、中国の皇帝にも見間違えるような、胡主席の傍らに、拝謁を賜るべく、列をなし・・・。つまり、小沢は、日本の皇帝を目指しているのであります。その皇帝との、拝謁の見返りとしたのが、胡錦濤国家主席の最有力後継者とされる、副主席来日に対しての天皇陛下との会見であります。その会見に際して、宮内庁には、陛下のご年齢と、体調を考慮して作られた、1か月ルールがあります。そのルールを無視し、皇帝を目指す小沢幹事長は、鳩山総理を恫喝し、鳩山総理は平野官房長官に指示、ごり押しで、陛下との会見を実現させたのであります。宮内庁の抗議に対しては、宮内庁も内閣の一員で従うべきと一蹴し、・・・憲法の理念からして、天皇の国事行為は、内閣の助言と承認で行える、天皇陛下のお身体が優れないというのであれば、それよりも優先度の低い公務は、お休みになればいいと、宮内庁に、国民にテレビを通じて知らしめました。つまり、天皇陛下は、内閣に従っていればいいと、勝手に陛下のご心中までも解釈していったのであります。・・・今こそ立ち上がり、民主党、並びに小沢一郎に対し、国民とご皇室に謝罪を求めるものであります。・・・」

「民主党は、私たちの政権は、まだ数カ月だから、もっと先を見てほしいと、言い逃れに終始してまいりました。が、時間は待ってはくれません。そんな悠長なことを言っていて、経済の回復はできるでしょうか。私たちの生命と財産の、安全と安心は担保されるのでしょうか。そんな国民の憂いをよそに、民主党は反日本・反民族の指導の実現を・・・、もちろん、脱欧米、入亜は日本民族の悲願ともいうべき、国家第一理想であります。特に最大の犠牲となった沖縄という地に、もっとも日本人は感謝を持ち、保護を表することは言うまでもありません。が、しかし、政治家の政治家たる資格、資質に、反日本および反日本人の精神の持ち主がなった場合、この国は今まで以上に世界の笑いものと化し、信用も信頼もされない恥を知らない三等国家になり下がることは自明の理であります。・・・」

「・・・永住外国人への参政権の付与、靖国神社に代わる、国立慰霊施設の建立、・・・まさに、裏切り行為といっても、過言ではありません(そうだそうだ)。一体、高速道路の無料化は、どうなったのでしょうか(そうだそうだ)。地方に押し付けることがないうえ、増税なしの、子供手当は、実行できるのでしょうか。民主党は、国民との公約を破ってまで・・・権力をとりたかったにすぎなかったのであります。本来政治家は、平気でうそをつく、と非難されてまいりました。政治家ではなく、政治屋であると揶揄されてきました。・・・信義を失って、果たして日本の将来はどうなるのでしょうか。私たちの子供たちにつけを払わせることなしに、日本の未来は立ち行くのでしょうか。国の行方を間違わないように、民主党を監視しようではありませんか。それが、民主党を選択した、我々国民の責任であります。・・・」

「我々は東京地検の良識に期待するものであります。・・・」

「民主党、粉砕―――!!!(ふんさーい!!!)」

「小沢一郎は、国賊だーーー!!!(こくーぞくーだーーー!!!)」

「鳩山総理は、民主党を解体せよーーー!!!(かいーたいーせよーーー!!!)」

「民主党大阪本部は、ただちに、解散せよーーー!!!(かいーさんーせよーーー!!!)」

「小沢・鳩山・平野は・・・天皇陛下に謝罪せよーーー!!!(しゃざいーせよーーー!!!)」

「国賊民主党は、即刻日本から出ていけーーー!!!」

「小沢さんの秘書になって、4億円をパクるぞーーー!!!(ぱくるぞーーー!!!)」

「石川議員になって、収支報告書に嘘をつくぞーーー!!!(うそをつくぞーーー!!!)」

「小沢一郎は朝鮮半島に帰れーーー!!!(かえれーーー!!!)」

いかがでしたか。そして、どう思いましたか。

「今世紀最大の悪徳大臣は小沢一郎であります。いや、日本歴史上、最悪であります。」確かに小沢一郎幹事長に政治資金問題は小沢一郎の金権体質が20年ほど前から全く変わっていないことを示し、民主党も自由民主党と同じ資金体制であることを示しましたが、今世紀最大そして日本歴史上最悪かどうかは分かりません。過去には田中角栄や中曽根康弘、金丸信、細川護煕といった政治家が汚職にかかわっています(小沢幹事長は自民党時代に金丸信の側近でしたが)。誰が最悪かなど言えようはずもありません。

「小沢一郎の目指す、権力構造の一端が昨年見え隠れいたしました。・・・民主党の国会議員140人を含む、過去最大の630人を引き連れて、中国の皇帝にも見間違えるような、胡主席の傍らに、拝謁を賜るべく、列をなし・・・。つまり、小沢は、日本の皇帝を目指しているのであります。」どうでもよいことですが、右翼民族派の主張の趣旨からすれば、「皇帝」よりも「国王」の方があっているでしょう。皇帝と国王の本来の意味からすれば、皇帝は世界の支配者ですが、国王は一国を支配しているにすぎません。つまり国王より皇帝の方が位は上です。それは良いとして、果たして小沢幹事長は独裁者を目指しているのでしょうか。ある意味で1960年代以降の、地元に金をもたらす存在であった自民党政治家に小沢幹事長は最もよく似ています。小沢幹事長はそのやり方を現代に伝えている人間の1人に過ぎないのかもしれません。自民党が当時超大国であったアメリカに依存してきたように、今度は民主党がその相手を中国に変えようとしているだけかもしれません(中国を重視しているかはわかりませんが)。小沢幹事長は一方から他方に利益を誘導し、そこから利益を得ようとしているだけであって、独裁者になろうとは考えていないでしょう。

「その皇帝との、拝謁の見返りとしたのが、胡錦濤国家主席の最有力後継者とされる、副主席来日に対しての天皇陛下との会見であります。その会見に際して、宮内庁には、陛下のご年齢と、体調を考慮して作られた、1か月ルールがあります。そのルールを無視し、皇帝を目指す小沢幹事長は、鳩山総理を恫喝し、鳩山総理は平野官房長官に指示、ごり押しで、陛下との会見を実現させたのであります。」「・・・今こそ立ち上がり、民主党、並びに小沢一郎に対し、国民とご皇室に謝罪を求めるものであります。」「小沢・鳩山・平野は・・・天皇陛下に謝罪せよーーー!!!(しゃざいーせよーーー!!!)」果たして昨年12月の天皇陛下と習近平国家副主席との会談にそのような意図があったのかはわかりませんが、仮にそのような意図があったとしても、日中友好という観点からすれば良かったのではないのでしょうか。そもそも宮内庁の「1か月ルール」は、1995年ごろに村山内閣で文書化され、重要視されるようになったのは2004年ごろに天皇陛下が前立腺手術をしたあとからのようで、慣例としては古くなく本来はあまり拘束力がないようです。小沢幹事長の段取りの仕方がごり押しであるところは否定できませんが、現在適用される法解釈によれば、行為そのものは憲法を含む法に触れるものではありません。したがって日本国民や天皇陛下に謝罪するところではありません。まさか「1か月ルール」さえ守っていればいかなる国の元首と会おうが政治利用でないわけではないでしょう?あるいは、まさか中国の政治家と天皇陛下が会談すれば無条件で天皇陛下を政治利用したことになるわけではないでしょう?

「つまり、天皇陛下は、内閣に従っていればいいと、勝手に陛下のご心中までも解釈していったのであります。」日本国憲法上、天皇陛下は国事行為をする場合は内閣の助言と承認に従わなければなりません。国事行為以外の公的行為もそれに準ずるものです。天皇陛下にも人権はありますが、内閣の「助言」には従わなければなりません。天皇陛下のご心中を勝手に解釈しているのは民主党のみならず、自民党や宮内庁職員、そして右翼民族派自身も同じでしょう。完全に天皇陛下のご心中を理解できるのは、天皇陛下自身のみですから。

「・・・永住外国人への参政権の付与、靖国神社に代わる、国立慰霊施設の建立、・・・まさに、裏切り行為といっても、過言ではありません(そうだそうだ)。」確かにこれらのことは公約には書かれていませんでした。これらが必要かどうかは分かりません。私は必ずしも外国人参政権に賛成しませんし、むしろ地方の実情を無視する民主党の外国人参政権には反対です。しかし、少子高齢化により、日本の人口が減少する中で、外国人労働者が増えれば、外国人参政権の必要性が大きくなるのではないでしょうか。靖国神社を戦没者慰霊のために参拝するのは個人の信条の問題ですから何も言えませんが、靖国神社はあくまで一宗教法人です。したがって神道を信仰しない人には無縁のものです。あらゆる人々のために無宗教の慰霊施設が必要なのではないでしょうか(無宗教の施設として千鳥ヶ淵戦没者墓苑があります)。財政上建立が可能かどうかは分かりませんが、裏切り行為に当たるとは言えません。

「もちろん、脱欧米、入亜は日本民族の悲願ともいうべき、国家第一理想であります。特に最大の犠牲となった沖縄という地に、もっとも日本人は感謝を持ち、保護を表することは言うまでもありません。」脱欧米も入亜も成し遂げられるのでしょうか。沖縄問題について右翼民族派はアメリカ軍基地問題に抗議する左翼団体を攻撃するだけであると思っていましたので、このような主張が右翼民族派から出るとは思いませんでした。しかし、しかし、犠牲となった沖縄の地に感謝するというのは、いささか都合がよすぎるのではありませんか。沖縄の地はその王そして住民の意思に関係なく、日本に吸収されざる得ない状況に追い込まれました。そして住民の意思にかかわりなく、太平洋戦争において戦闘の最前線とされ、県民12万人が犠牲となり、アメリカに占領されました。沖縄という地に耐えがたい犠牲を強いたことに対して、懺悔・贖罪はともかく、感謝という表現がふさわしいでしょうか。

「政治家の政治家たる資格、資質に、反日本および反日本人の精神の持ち主がなった場合、この国は今まで以上に世界の笑いものと化し、信用も信頼もされない恥を知らない三等国家になり下がることは自明の理であります。」日本が世界の笑いものであるという根拠はあるのでしょうか。民主党が反日本、反日本人の精神の持ち主であるということはどのようなことをもって言えるのでしょうか。そもそも反日本、反日本人の精神とはどのようなことでしょうか。それを説明されなければ意味がわかりません。

「国の行方を間違わないように、民主党を監視しようではありませんか。それが、民主党を選択した、我々国民の責任であります。」「我々は東京地検の良識に期待するものであります。」それはその通りなのですが、去年8月に政権交代をする以前も自民党を同じように監視してきましたか。国民の監視対象となるのは民主党だけではないのではありませんか。社民党も、国民新党も、自民党も、公明党も、共産党も、みんなの党も、改革クラブも、幸福実現党も、そしてあらゆる行政機関も監視しようではありませんか。

「民主党、粉砕―――!!!(ふんさーい!!!)」「小沢一郎は、国賊だーーー!!!(こくーぞくーだーーー!!!)」「鳩山総理は、民主党を解体せよーーー!!!(かいーたいーせよーーー!!!)」「民主党大阪本部は、ただちに、解散せよーーー!!!(かいーさんーせよーーー!!!)」民主党を解体して解決する問題でしょうか。小沢一郎幹事長は自民党、新進党、民主党と渡り歩いてきました。小沢一郎幹事長は民主党がどうなろうと同じ事を続けるでしょう。それに、小沢一郎幹事長は右翼民族派にとっては国賊であっても、未来の国民からすれば稀代の愛国者かもしれません。その人が国賊かどうかはすぐに決められません。

「小沢さんの秘書になって、4億円をパクるぞーーー!!!(ぱくるぞーーー!!!)」「石川議員になって、収支報告書に嘘をつくぞーーー!!!(うそをつくぞーーー!!!)」いわゆる「誉め殺し」です。ここでいう4億円が何を指しているのか、また「パクる」が何を指しているかはわかりませんが、大久保隆規秘書官を会計責任者とする陸山会は4億円の融資で土地を購入しました(政治資金で土地を購入することは使途として妥当ではありませんが)。政治資金収支報告書の記載に問題があったことには違いありませんが、今の段階ではまだ嘘をついたかどうかは分かりません。鳩山由紀夫総理大臣、小沢一郎幹事長の政治資金疑惑の全容解明が急がれます。

「小沢一郎は朝鮮半島に帰れーーー!!!(かえれーーー!!!)」なぜ朝鮮半島なのでしょうか。小沢一郎幹事長は出身が岩手県であったはずです。それとも、小沢一郎幹事長の戸籍謄本を調べて、彼の先祖が朝鮮国籍であったというのでしょうか。そうでもなければ、ただの妄想でしかありません。

 総じて見ると、鳩山由紀夫総理大臣以上に、小沢一郎幹事長のほうが攻撃対象となっているようでした。それは小沢一郎幹事長が民主党最大の権力者であることを象徴しているようにも見えます鳩山由紀夫総理大臣、小沢一郎幹事長の政治資金疑惑も全容の解明が急がれるところです(報道を見ても結局何が問題になっているのかわからないような印象を受けます)。検察も必ずしも正義とは言えません。相手によって妥協することもあれば、警察と同じで捜査を恣意的に進めることもあるでしょう。検察と民主党、どちらが正義ともわかりません。本当はどちらにも正義はなく、何らかの利益をめぐって争いをしているだけかもしれません。

 また、外国人参政権や天皇陛下の会見問題での批判が多く聞かれました。外国人参政権は一概には違憲と言い切れません(1995年の最高裁判決では「憲法九三条二項は、我が国に在留する外国人に対して地方公共団体における選挙の権利を保障したものとはいえないが、憲法第八章の地方自治に関する規定は、民主主義社会における地方自治の重要性に鑑み、住民の日常生活に密接な関連を有する公共的事務は、その地方の住民の意思に基づきその区域の地方公共団体が処理するという政治形態を憲法上の制度として保障しようとする趣旨に出たものと解されるから、我が国に在留する外国人のうちでも永住者等であってその居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至ったと認められるものについて、その意思を日常生活に密接な関連を有する地方公共団体の公共的事務の処理に反映させるべく、法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているものではないと解するのが相当である。しかしながら、右のような措置を講ずるか否かは、専ら国の立法政策にかかわる事柄であって、このような措置を講じないからといって違憲の問題を生ずるものではない。」としています)し、天皇陛下と習近平国家副主席との会見も法的には何も問題はありません。天皇陛下の地位は国民の総意に基づくものであるため、天皇陛下の権威などの問題は別として、天皇陛下よりも国民の方が政治的地位は上なのです。

子供手当も高速道路の無料化も実現は困難であることは私もわかっていました。民主党は見通しが甘かったのではないでしょうか。無駄を削れば財源がいくらでも出てくると安易に考えすぎていたのではないでしょうか。しかし、たとえ民主党の掲げたマニフェストが幻想であったとしても、国民は何も期待を見いだせない自民党・公明党の政治に別れを告げたかったのではないでしょうか。民主党首班政権が経済を回復させ、国民の「命」を大事にする神となることができるか、それともただ国民にいたずらに希望を抱かせるだけの虚構の神となるか、今年はしかと見届けましょう。現状の打破を期待する国民は、長く待ってくれません。

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