この日の演説・シュプレヒコール

「・・・皆様も御承知のとおり、先日、尖閣諸島近海において、我が国を守っている巡視艇が、中国漁船に衝突されるという事件が発生いたしました。我が国において、そのような行為は、中国による我が国への宣戦布告としか思えないのではないでしょうか。尖閣諸島は、古来より、日本の領土であるということは、国際法上明確になっているのです。それさえかまわず、中国は、自国の領土であると近年になって主張を始め、侵略行為を行い続けているのであります。ではなぜ、中国が近年になって自国の領土だと主張し始めたのか皆様はご存知でしょうか。国際連合による調査の結果、尖閣諸島周辺には大量の資源があることが発表されたからなのであります。その資源を中国のものとしたいがために、中国領土だと主張し始めたのです。皆様は他人の土地に宝物が埋まっているとすれば、その他人の土地を自分の土地だと主張できますか?良識ある人間に、できるとおもいますか?良識ある人間には、できない行為なのです。・・・中国という国は、良識ある日本国民とは次元の違う、下等民族の国なのであります。・・・」

「・・・皆様は、過去における、シナ中共(管理人注:中華人民共和国)の2千万人とも、3千万人ともいわれる、共産革命の名のもとに行われた、大量虐殺を忘れてはいけません。現在でも、新疆ウイグル自治区、ウルムチや、チベットでのラサ、虐殺事件でもわかりますように、わが日本を、第二の東トルキスタン(管理人注:新疆ウイグル自治区)にしてはならないのです。・・・」

「・・・現在の民主党政権は・・・国土と国民の生命・財産を守れるのでしょうか?・・・」

いかがでしたか。そして、どう思いましたか。

「我が国において、そのような行為は、中国による我が国への宣戦布告としか思えないのではないでしょうか。」とりあえず形式的には日本領海内における中国漁船の違法操業事件でしょう。件の漁船は映像を見る限りただの漁船のようですし(船員の行動と態度から工作船と考える人もいるようですが)、仮に工作船であるとしても、その漁船を中国の工作船などと立証する手段は日本にはもはやありません。

「皆様は他人の土地に宝物が埋まっているとすれば、その他人の土地を自分の土地だと主張できますか?良識ある人間に、できるとおもいますか?良識ある人間には、できない行為なのです。・・・中国という国は、良識ある日本国民には理解できない、下等民族の国なのです。・・・」個人的事例を見ればその通りなのですが、国家間にそのようなことが通じるのでしょうか。それに、他人の土地を自分の土地にしたいのであれば、土地をその人から購入すればよいのです。アメリカがアラスカをロシアから買い取ったように中国政府が尖閣諸島を日本から買い取ったら何も文句はないのでしょうか。それは必ずしも「良識のある人」の行為でしょうか。そして、中国人を「下等民族」扱いすることが、「良識ある」日本国民の行為なのですか。日本国民はいつからそのような「白人帝国主義」に屈服する民族となったのですか。それが「東亜解放」のために「大東亜戦争」を戦った「日本民族」なのですか。そのような民族差別をしていては何の解決にもなりませんし、帰って日中双方の憎悪を煽るものでしかありません。

「・・・皆様は、過去における、シナ中共(管理人注:中華人民共和国)の2千万人とも、3千万人ともいわれる、共産革命の名のもとに行われた。大量虐殺を忘れてはいけません。」ここでの「大量虐殺」とは、1950年代の「大躍進政策」やその後の「文化大革命」のことを指すのでしょう。確かにそれはとてつもない失策であることは疑いようがありません。そして、その歴史は語り継がれるべきです。そして、中国共産党による一党独裁体制をどのようにするかを決めるのはほかならぬ中国国民なのです。

「現在でも、新疆ウイグル自治区、ウルムチや、チベットでのラサ、虐殺事件でもわかりますように、わが日本を、第二の東トルキスタン(管理人注:新疆ウイグル自治区)にしてはならないのです。」2008年のチベットでの暴動、2009年の新疆ウイグル自治区での暴動のことを指しています。なお、東トルキスタンとは、ウイグル民族が元来トルコ系の遊牧民族であるが故の名前です。中国政府は日本を占領する思惑をもっているのでしょうか。そもそも、中国は日本を占領して得るものとは何でしょうか。資源や経済力以上に住民からの反発を得ると思いますが(ある意味でそれは日本において民族主義勃興の絶好の機会でもあります)。つまり中国にとってすれば日本を占領して得られる利益よりもリスクの方が高いでしょう。中国政府は本当に「狂気の」国なのでしょうか。

「・・・現在の民主党政権は・・・国土と国民の生命・財産を守れるのでしょうか?・・・」国土と国民の生命・財産を守れないかもしれません。民主党政権の対応はあまりにも情けないものです。そして、あまりにも中途半端な対応です。強硬な姿勢に出るのか、穏便に事を運びたいのか、よく理解できません。政権の内部でも意見が分かれて統一的な見解が出せないのかもしれません。

総じて見ると、民主党政権となってから、右翼民族派の焦りが見られました。その焦りが、民主党への批判、そして自分たちへ批判を浴びせるものを、「テメェ中国人か?」などと罵倒するところに現われているのでしょう。そのような民族罵倒をしていても何も進展はありませんし、中国と戦争などしようものならば双方無事では済みません。やはり毅然とした態度で粘り強く対話をしていくしかないのでしょう。

最後に二言です。

蓮舫参議院議員は中国人ではなく国籍上は日本人で、出身上は台湾人です。

漢民族は人類学的には日本人より東南アジア系の人に近いそうで、宇宙人ではありません。

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