この日の演説・シュプレヒコール

「・・・先般、参院本会議場で行われた「議会開設120周年記念式典」において、中井洽衆議院議員が畏れ多くも御来賓の秋篠宮殿下に「早く座れよ。こっちも座れないじゃないか」といった不敬、非礼極まりない暴言を吐いたことに対し、中井洽議員は「早く座らないと誰も座れないよ、と言ったかもしれないが、秋篠宮さまに向けて言うはずがない。副議長らに行った。」と釈明しておりますが、そもそも今回の記念式典は、明治23年に第1回帝国議会から120周年を迎えたことを記念する厳粛な儀式であり、天皇・皇后両陛下がご来場されるまでは全員が起立し、お待ちになられるのが礼儀であります。それを陛下がご来場なされる前に、「早く座れ」とたとえ副議長に言ったとしても、陛下に対する非礼行為であり、看過することができない、国会議員としてあるまじき不敬発言であります。さらに、この弁明を見てもわかるとおり、「秋篠宮さま」と言う、皇室典範を逸脱した非礼な敬称であり、皇室典範第23条において、「皇族の継承は殿下とする」とはっきり明記されており、秋篠宮殿下とお呼びになるのが国会議員として当然の責務であります。これらの行為はまさに、皇室を軽視し、皇室の尊厳を穢す、国賊と断じざるを得ません。このような、国民道徳もわきまえない中井洽が国会議員として存在することは三重県民の資質が問われかねない重大な問題であります。よって、三重県民の汚名を払拭するためにも、中井洽議員に対して進退をかけた国民への謝罪を求め糾弾行動を徹底的に続けていく所存でありますので、どうか我々の行動に地元県民の皆様、ご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。・・・」

 「・・・先般、参院本会議場で行われた「議会開設120周年記念式典」において、中井洽衆議院議員が畏れ多くも御来賓の秋篠宮殿下に「早く座れよ。こっちも座れないじゃないか」といった不敬、非礼極まりない暴言を吐いた中井洽に対し、民主党三重県総支部連合会の代表を務めている芝博一参議院議員は何の措置も講じることなく、中井洽による皇室軽視、不敬発言を容認し、なおかつ擁護するといった行動をとっております。そもそも、芝博一参議院議員は、神職であり、神に奉仕するといった、すなわち皇室をお守りする立場の人物であります。さらに神道人としての信義である「敬神」「尊皇」「崇祖」を根底から侮辱する中井洽を容認し、擁護する姿勢は、まさに神道人として失格であり、逆賊と断じざるを得ません。我々は、神道人としての大義を捨て、己の政治生命の延命しか顧みない、日教組の親玉、売国奴輿石東の腰巾着、逆賊芝博一は即刻、神職の資格を返上し、進退をかけた国民への謝罪を求め糾弾行動を展開しております。どうか、我々の行動に鈴鹿市民の皆様、ご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。・・・」

 「皇室の尊厳を穢した国賊中井洽は、進退をかけて国民に謝罪せよーーー!!!(しゃーざいせよーーー!!!)」

「皇室の尊厳を穢した国賊中井洽を擁護する逆賊芝博一は、進退をかけて国民に謝罪せよーーー!!!(しゃーざいせよーーー!!!)」

いかがでしたか。そして、どう思われましたか。

「・・・先般、参院本会議場で行われた「議会開設120周年記念式典」において、中井洽衆議院議員が畏れ多くも御来賓の秋篠宮殿下に「早く座れよ。こっちも座れないじゃないか」といった不敬、非礼極まりない暴言を吐いたことに対し、中井洽議員は「早く座らないと誰も座れないよ、と言ったかもしれないが、秋篠宮さまに向けて言うはずがない。副議長らに行った。」と釈明しておりますが、そもそも今回の記念式典は、明治23年に第1回帝国議会から120周年を迎えたことを記念する厳粛な儀式であり、天皇・皇后両陛下がご来場されるまでは全員が起立し、お待ちになられるのが礼儀であります。それを陛下がご来場なされる前に、「早く座れ」とたとえ副議長に言ったとしても、陛下に対する非礼行為であり、看過することができない、国会議員としてあるまじき不敬発言であります。」中井洽衆議院議員の言ったことは確かに失礼で、周りにいた人間が聞けば不快な気持ちになるものであるかもしれませんが、ここまで大きな問題にすべきでしょうか。本人にしてもおそらく自分の発言がここまで問題になるとは思ってもいなかったでしょうし、そう思っていたならば国会議員としての自覚が足りないという点で紳士に反省して謝罪すべきでしょう。国会議員の発言はただの人間の発言ではありません。とくにマスメディアを介してその人間の発言が広まった場合、誰も発言者をただの人間とは認識しないからです(それは靖国神社参拝問題など他の問題における国会議員・国務大臣・内閣総理大臣その他公職についている人間についても言えることですが)。しかし、現在の国政においてそこまで重要な問題でないはずです。そのようなことよりも遥かに重要な問題はたくさんあるでしょう。

「さらに、この弁明を見てもわかるとおり、「秋篠宮さま」と言う、皇室典範を逸脱した非礼な敬称であり、皇室典範第23条において、「皇族の継承は殿下とする」とはっきり明記されており、秋篠宮殿下とお呼びになるのが国会議員として当然の責務であります。これらの行為はまさに、皇室を軽視し、皇室の尊厳を穢す、国賊と断じざるを得ません。」このように演説されて始めて皇室典範の第23条を確認しました。確かに皇室典範の第23条では「1.天皇、皇后、太皇太后及び皇太后の敬称は、陛下とする。2.前項の皇族以外の皇族の敬称は、殿下とする。」とあります。しかし、罰則はなく、これを守るかどうかは個人の裁量です。実際、皇太子殿下、皇太子妃殿下、秋篠宮殿下、秋篠宮内親王殿下もマスコミでは、「皇太子様」、「雅子様」、「秋篠宮様」、「紀子様」と呼ばれることが多いのです。このように呼称しているマスコミは全て「不敬」であり、「国賊」なのでしょうか。それが一般の国民の感覚なのではないのでしょうか。このことに関しては後からとってつけたような「揚げ足取り」に見えます。

「このような、国民道徳もわきまえない中井洽が国会議員として存在することは三重県民の資質が問われかねない重大な問題であります。よって、三重県民の汚名を払拭するためにも、中井洽議員に対して進退をかけた国民への謝罪を求め糾弾行動を徹底的に続けていく所存でありますので、どうか我々の行動に地元県民の皆様、ご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。」皇室に敬意を払うことが日本国民の道徳かどうかはわかりませんが、この問題で三重県民の資質が問われるような問題であれば、有権者の資質が問われる選挙区はとても多くなるはずです。失言をした国会議員や国務大臣の出身の選挙区に住む有権者は皆資質が問われるわけですから。右翼民族派がどれほど動こうとも、最終的に自らが汚名を着せられていると認識し、中井洽議員を次の衆議院総選挙で落選させるのは選挙区に住む有権者です(中井洽議員の新年会を中止に追い込む事態になったところを見ると落選させる方向にことが進んでいるのかもしれませんが)。

「・・・民主党三重県総支部連合会の代表を務めている芝博一参議院議員は何の措置も講じることなく、中井洽による皇室軽視、不敬発言を容認し、なおかつ擁護するといった行動をとっております。」芝博一参議院議員がどのような言動を行ったのかはわかりませんが、特に何も言わなかったのではないのでしょうか。今後中井洽議員を支持しない方針をとるなどの処分を下すこともできるのでしょうが、むしろ中井洽議員に何らかの処分を下すのは民主党本部の役割ではないのでしょうか。

「そもそも、芝博一参議院議員は、神職であり、神に奉仕するといった、すなわち皇室をお守りする立場の人物であります。」神社に祭られている神々が天照大神を主神とし、その子孫たる皇室に繋がるとする思想は国家神道に基づく考え方であり、明治時代以降に創造されたものです。現在、名目上国家神道は解体されています。つまり神職自体に関して言えば必ずしも皇室を守るものとはなりません。現在の天皇陛下は現人神ではありませんから。

「さらに神道人としての信義である「敬神」「尊皇」「崇祖」を根底から侮辱する中井洽を容認し、擁護する姿勢は、まさに神道人として失格であり、逆賊と断じざるを得ません。我々は、神道人としての大義を捨て、己の政治生命の延命しか顧みない、日教組の親玉、売国奴輿石東の腰巾着、逆賊芝博一は即刻、神職の資格を返上し、進退をかけた国民への謝罪を求め糾弾行動を展開しております。」先の理由から、「尊皇」は侮辱していますが、「敬神」、「崇祖」は問題ではないように思えます。輿石東参議院議員が元日教組の組合員であろうとも、それですぐに売国奴となるのは右翼民族派の主観ではありませんか(小沢一郎元民主党幹事長を擁護する理由が気になるところではありますが)。そもそも、中井洽衆議院議員の発言が「『敬神』『尊皇』『崇祖』を根底から侮辱する」のであれば、橿原神宮で煙草の吸殻をその辺に投げ捨てる一部の心無い右翼民族派の方が余程「『敬神』『尊皇』『崇祖』を根底から侮辱」しているように思われます。そのような人間がまさか街宣車に乗って「神道人としての信義」などと主張しているのではないでしょうね。

「皇室の尊厳を穢した国賊中井洽は、進退をかけて国民に謝罪せよーーー!!!(しゃーざいせよーーー!!!)」「皇室の尊厳を穢した国賊中井洽を擁護する逆賊芝博一は、進退をかけて国民に謝罪せよーーー!!!(しゃーざいせよーーー!!!)」中井洽議員は謝罪する必要があるかもしれませんが、芝博一議員は謝罪する必要がないのではないでしょうか。芝博一議員本人としては、積極的な擁護をするつもりはなく、単にノーコメントを通したいだけなのでしょう。何か発言はするべきなのでしょうが。

総じて見るに、攻撃対象が広がっていますが、その理由が薄弱です。これならば最初から民主党全体を攻撃対象とした方が説得力はあるのではないでしょうか。それ以上に、右翼民族派は「神道人としての信義」を語ることができるほど神道に精通し、かつ神道に基づいて行動しているのでしょうか。誰が決めるものでもありませんが、右翼民族派は「神道人としての信義」を語る資格を持っているのでしょうか。

中井洽衆議院議員のしたことは不注意の極みであり、周囲に不快な思いをさせたことは謝罪すべきでしょう。それを右翼民族派が追及することも結構なことです。しかし自民党やみんなの党の国会議員がそれを取り上げて攻撃することには違和感を覚えます。中井洽議員の発言(というよりもぼやき)など国政の上ではどうでも良い事です。それ以上に重要な課題は山積しているでしょう。それにもかかわらず一国会議員の一言に聞き耳を立てて、一々取り上げて攻撃していることが、国政よりも政権与党を攻撃することに血道を挙げる現在の日本の国会議員、ひいては日本の国会の程度の低さを物語っているように思われてなりません。

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