この日の演説・シュプレヒコール

「・・・嘘をついて休みを取る先生を皆さんはどう思われますか。・・・地方公務員法の適正執行と厳格化は必要です。日教組は、教師を労働者として規定しています。子供たちの、学力向上より、自分たちの利益のために教師をしている亡国危険集団、その日教組に、これ以上、教壇を任せるわけにはいきません。一日も早く、教壇より追放し、教育現場を正常化しなければなりません。自分たちの利益を日教組は、国旗・国家法案が可決・執行されたにもかかわらず、国旗日の丸、国歌君が代を否定し続けております。これは、天皇陛下と日本を否定することであり、断じて見過ごすわけにはいきません。亡国教師を追放しましょう。ミスター日教組と言われる、槙枝元委員長は、日本人拉致が問題となっていた時期に、足繁く北朝鮮に通い、北朝鮮こそ地上の楽園であると公言し、拉致問題はないと発言していた、熱狂的北朝鮮信奉者です。この北朝鮮を信奉する教師集団が、日本のことを考えて授業をしているとは、とても考えられません。・・・排除しましょう。」

「日教組における組合思想の根本には、旧ソ連を理想とする、マルクス主義があります。市民の皆様、このマルクス主義とは、国際共産党組織から出された指令に従い、資本主義に対立する概念として、社会主義思想ではなく、資本主義社会を打倒して、社会主義国家を建設するための、革命理念という強い側面があります。危険きわまりない革命集団日教組を粉砕しましょう。」

 「日教組は子供たちに偏向教育をするなーーー!!!(するなーーー!!!)」
 「資本主義に対する革命集団日教組解体せよーーー!!!(かいーたいーせよーーー!!!)」

「佐賀県知事は辞職せよーーー!!!(じしょくせよーーー!!!)」

「日教組ーーー!!!(ふーんさい!!!)」

「日教組は佐賀県から出てけーーー!!!(でてけーーー!!!)」

いかがでしたか。そして、どう思いましたか。

「・・・嘘をついて休みを取る先生を皆さんはどう思われますか。・・・地方公務員法の適正執行と厳格化は必要です。」休む理由によります。遊ぶために嘘をついて休みを取るのはよくありませんが、組合活動はどうでしょうか。日教組の行っている行為が地方公務員法に抵触していることは、事実であれば弁明のしようがなく、日教組も改めるべきであると思うのですが、地方公務員法に抵触するような行為を組織ぐるみで行うことを止めればよいだけで、日教組を佐賀から叩き出す必要も、日教組そのものを解体する必要はありません。教研集会も、純粋な教育研究のみを行うようにすればよいのです。このような見方をする私は日教組を甘く見すぎなのでしょうか。もしそうでしたら掲示板やメールにてご忠告下さい。そもそも日教組の主張としては、地方公務員法は日本国憲法第19条に違反しているというのでしょう。したがって、地方公務員法は日教組の中では守らなくてもよい法律となっているのかもしれません(それでは現在は理屈が通らないのですが)。それでも、日教組の教員に教員たる資格がなく、追放しなければ日本の未来がないというのは言い過ぎであるように感じます。日教組の教員でも教師として腕の立つ人もいるでしょう。そのような教員まで追放するメリットがあるのでしょうか。日教組から思想性さえなくせば良いのではないのでしょうか。

「子供たちの、学力向上より、自分たちの利益のために教師をしている亡国危険集団、その日教組に、これ以上、教壇を任せるわけにはいきません。一日も早く、教壇より追放し、教育現場を正常化しなければなりません。」教師が労働者でなければ一体なんなのでしょうか。「聖職」でしょうか。そもそも、労働条件の改善を「私利私欲」というのならば、すべて労働運動の歴史は「私利私欲」の歴史となります。教員の過労死や過労による鬱病が発生する中、公務員の労働三権が制約を受けているとはいえ、労働条件の改善を主張したくなるのは当然のことです。労働者が快適に労働できる条件で労働効率は向上しますし、良い労働の結果が残せるものです。右翼民族派は、労働者は過労死するまで黙って働けと言いたいのですか。懸命に仕事をする教師に対して理不尽に高潔を求める右翼民族派は何様のつもりですか。

「ミスター日教組と言われる、槙枝元委員長は、日本人拉致が問題となっていた時期に、足繁く北朝鮮に通い、北朝鮮こそ地上の楽園であると公言し、拉致問題はないと発言していた、熱狂的北朝鮮信奉者です。この北朝鮮を信奉する教師集団が、日本のことを考えて授業をしているとは、とても考えられません。・・・排除しましょう。」日教組が朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のチュチェ体制を無批判に賛美し、槙枝元文委員長が北朝鮮から勲章をもらっていたことは知っています。当時の日本社会党が共産主義・社会主義国家と親交を持っていた都合でそうなったのでしょう。ある意味で槙枝委員長はそれを日本のためであったと考えていたのかもしれません。しかしそれは日教組が犯した過ちです。日教組は大いに反省すべきです。そのうえで日教組も変化しなければなりません。そうすれば日教組を打倒する必要もなくなるでしょう。

「日教組における組合思想の根本には、旧ソ連を理想とする、マルクス主義があります。市民の皆様、このマルクス主義とは、国際共産党組織から出された指令に従い、資本主義に対立する概念として、社会主義思想ではなく、資本主義社会を打倒して、社会主義国家を建設するための、革命理念という強い側面があります。危険きわまりない革命集団日教組を粉砕しましょう。」「資本主義に対する革命集団日教組解体せよーーー!!!(かいーたいーせよーーー!!!)」右翼民族派は本当に社会主義、共産主義の概念を理解しているのでしょうか。せめてマルクスの「資本論」や「共産党宣言」などを読んだ方が良いのではないでしょうか。旧ソ連の存在はあくまでマルクスによる資本主義分析の結果を反映した共産主義社会をレーニンが実現しようとしたものと考えることができます。国際共産党組織が革命遂行に関与するかどうかは別の問題です。またマルクス主義と社会主義は別の概念ですが、無関係なものではありません。資本主義社会から社会主義社会となり、やがて共産主義社会に発展していくのです。従ってマルクス主義の革命によって形成される国家は最終的には共産主義国家であり、社会主義国家はそこに至るまでの過程でしかありません。新しい体制を目指した革命といえどもその手段は必ずしも暴力だけではありません。歴史上名誉革命など暴力なく行われた革命もあります。従って日教組は危険極まりない革命集団とは言えません。そもそも右翼民族派は現在の資本主義体制に対してそれほど強い支持をしていましたか。右翼民族派の目指す体制は更に違うところにあるはずです。

「佐賀県知事は辞職せよーーー!!!(じしょくせよーーー!!!)」「日教組は佐賀県から出てけーーー!!!(でてけーーー!!!)」毎回恒例の会場を貸与した自治体の首長糾弾です。県知事を糾弾しても何の解決にもなりませんし、会場を貸したのは県知事の意思ではなくただの事務的な処理であろうと考えられます。全教への会場貸与は集会の自由により正当ですし、右翼民族派の街宣活動も思想の自由により正当なのです。日教組・全教の教研集会会場の周辺で右翼民族派の街宣活動という光景は戦後日本における思想の自由の一側面かもしれません。日教組と右翼民族派のどちらが「亡国集団」であるかの答えは誰にもわかりません。しかし、この主張を聞けば左翼勢力はさらに語気を強めて、右翼民族派による抗議街宣のことを「右翼暴力集団の暴力的妨害」と表現するでしょう。そもそも、右翼民族派は一般市民から騒音を垂れ流すただの迷惑集団だと思われてよいのでしょうか。そのことを心配する人も右翼民族派の中にはいます。

総じて見るに、民主党が野党に転落したために、演説の内容がこの十数年繰り返された日教組批判に戻った気がします。さらにいじめ問題が教職員組合の責任であるかのような主張もありました。根拠がよくわかるように説明して欲しいものです。日教組にも右翼民族派にも正しい主張と間違った主張はあります。お互いに妥協点を見出して、ともに日本がよくなるように政策を提言してゆけばよいのではないでしょうか。

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