この日の演説・シュプレヒコール
「・・・2月22日は、竹島の日であります。竹島の不法占拠を続ける、韓国に対する抗議運動を展開しております。これまで韓国は我が国固有の領土である竹島に武装警察を常駐させ、実質的に支配しているのであります。昨年には韓国の元大統領、李明博が・・・竹島に上陸し、・・・こともあろうか、天皇陛下に無礼極まりない発言をした、韓国を許すことができません。即刻この日本から韓国を追放し、我が国固有の領土竹島を奪還しようではありませんか。日本国民一人ひとりが国民意識を持ち、我々とともに声を上げ、傲慢極まりない韓国を叩き潰しましょう。」
「韓国は我が国に対し、謝罪せよーーー！！！（しゃーざいせよーーー！！！）」
「竹島返せーーー！！！（かえせーーー！！！）」
「韓国出てけ！！！（かーんこーーくでてけ！！！）」
いかがでしたか。そして、どう思いましたか。
「昨年には韓国の元大統領、李明博が・・・竹島に上陸し、・・・こともあろうか、天皇陛下に無礼極まりない発言をした、韓国を許すことができません。」李明博前大統領が竹島に上陸したことは領土侵犯としても、天皇陛下に植民地支配の謝罪と賠償を要求したことはある意味で「無礼極まりない」ことではありません。かつて植民地支配されていた国としては当然の感情でしょう。ましてや1992年に天皇陛下が中国を訪問して謝罪の言葉を述べているのであれば、なおさら韓国を訪問して謝罪すべきでしょう。天皇陛下の考えはわかりませんが、そこに右翼民族派が介在する理由はありません。
「即刻この日本から韓国を追放し、我が国固有の領土竹島を奪還しようではありませんか。」「韓国出てけ！！！（かーんこーーくでてけ！！！）」やれるものならやってみてください。日本から韓国を追放することでどのような利益が得られるというのでしょうか。韓国との窓口がなくなって、竹島に関する問題や歴史認識に関する問題はどのようにして解決するのでしょうか。韓国と戦争するのでしょうか。それでは何の解決にもなりませんし、かえって問題を複雑にするだけです。
「日本国民一人ひとりが国民意識を持ち、我々とともに声を上げ、傲慢極まりない韓国を叩き潰しましょう。」やれるものならやってみてください。どのように韓国をアジアから追放するのか、どのように韓国をこの世から消し去るのか、消し去った後の処理はどうするのか、ぜひそれらを聞いてみたいものです。仮に消し去ったとしても、その後朝鮮半島の混乱にどう収拾を付けるのか、全く見えません。
「韓国は我が国に対し、謝罪せよーーー！！！（しゃーざいせよーーー！！！）」確かに韓国が竹島を不法に占拠していることは謝罪すべきですが、それと同様に日本が韓国に謝罪になければならないことがあるのではありませんか（朝鮮半島の植民地支配に限りません）。
総じて見ると、竹島を純粋に返して欲しいわけでもなさそうです。竹島返還の叫びの中に、歪んだ韓国・朝鮮人への感情が見え隠れします。このような感情を前面に出して領土問題が解決できるでしょうか。少なくとも平和的に解決できるわけがありません。たとえ解決したとしても、日韓両国にとても深い禍根を残すことになります。竹島が日本に返還されることは私も希望するところです。しかし、それが困難で長い時間がかかろうとも、民族感情を日韓両国とも抑えて、粘り強く竹島問題解決への道を探っていかなければなりません。