12月23日
天皇誕生日 ―日本の象徴の生まれた日―
※この記事は2008年現在のものです。いずれ別の場所に移動するかもしれません。
1933年12月23日、昭和天皇の長男として明仁親王が生まれました。ご存知の方も多いと思いますが、1989年に明仁親王が天皇に即位して今上天皇陛下となって以来、この日は天皇誕生日となっており、この日に皇居や全国の神社では天長祭が行われます。第二次世界大戦まで天皇の誕生日は天長節と呼ばれていました(それに合わせて天長祭は天長節祭という名前でした)。明治時代の天長節は11月3日、大正時代の天長節は8月31日(すぐに10月31日に変更されました)、昭和時代の天長節は4月29日です。
天長節という言葉は、中国・春秋戦国時代に書かれた「老子」の「天長地久」という言葉に由来しています。意味は天や大地が永久に変わらないように物事が永久に続くことです。天長地久の「天長」をとった天長節の意味とは、君主の治世が長きにわたって続くことであると考えられます。もともとは中国・唐の時代に行われた儀式をまねたもののようです。同様に、天長地久の「地久」をとった地久節(こちらは皇后の誕生日です)というものが存在します。現在ならば美智子様の誕生日である10月20日です。こちらは当初から祝日にはなっていません。制定された当時の男女観が見て取れるでしょう。
右翼民族派は今も天長節と呼び、皇居への一般参賀の他神社参拝や奉祝街宣などさまざまな活動を行い、天皇陛下の誕生日を国民総出で祝おうと主張しますが、国家神道が国教のように扱われていた大日本帝国ではないのですから、天皇陛下の誕生日を祝うかどうかは個人の自由でしょう。今は信教の自由が存在します。天皇はもはや神聖不可侵なものではありません。祝いたい人が祝えばよいのです。私は皇室問題にもあるように皇室に価値を見出す人間ですが、誕生日を祝うほど崇拝する気はないので、あからさまに祝うことはしません。
(2020年1月26日追記:2019年に皇位継承と祝日法改正が行われ、天皇誕生日は2月23日となりました)