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憲法記念日 ―亡国憲法と平和憲法―

 194753日、日本国憲法が施行され、この日は憲法記念日となりました。そしてこの日から、改憲を主張する人々と護憲を主張する人々のせめぎ合いが始まったのです。この日、全国で護憲を主張する立場の人々は護憲集会を開き、改憲(この言葉にまとめ切れないところもあります)を主張する立場の人々も改憲集会を開きます。また、多数のマスコミが憲法を改正すべきかどうかについて世論調査を行います。

 右翼民族派団体はそのほぼ全てが日本国憲法を「占領憲法」、「押し付け憲法」、「亡国憲法」、「奴隷憲法」などと呼び、憲法改正あるいは現行憲法破棄を主張する立場にあるので、改憲集会を行うと同時に、左翼による護憲集会に対する抗議活動を行います。

 日本国憲法制定に関する経緯は憲法問題にまとめているのでここでは書きませんが、護憲派も改憲派も互いの意見を交換したことがありますか。あまりないであろうと思われます。意見交換をする場があるならば、どうして右翼民族派は護憲集会の会場から遠く離れたところで警察に監視されながら抗議活動をするのでしょうか。相互に意見交換をする場があれば、日教組全国教研の会場がなくなり中止に追い込まれるということもないはずです。相互に意見交換をすれば、相手の施行を知ることができ、自分の思考の欠点を発見することができるのです(私の右翼民族は活動観測の目的の1つもこれです)。左翼(護憲派)の皆さんも、右翼民族派(改憲派)を「暴力集団」などと言わずに、警察を呼んで排除したりせずに、中に招き入れて意見を聞いてもよいのではないのでしょうか。その時は、右翼民族派(改憲派)も同じように左翼(護憲派)の意見を聞き、左翼(護憲派)の存在を抹消しようとしてはいけません。

 日本国憲法の施行から60年以上が経ち、さまざまな事例が現れ、さまざまな議論があるでしょう。その中において、護憲派も改憲派も、相互に意見を酌み交わし、それによって最も多くの国民の理解を得られるような意見を創っていくことも重要ではないでしょうか。

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