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アメリカ同時多発テロ ―新たなる時代へ―

 2001911日、アメリカン航空とユナイテッド航空の旅客機がハイジャックされてアメリカニューヨーク州ニューヨークの世界貿易センターツインタワーに突入し、世界貿易センターは壊滅しました。同日アメリカン航空の旅客機がハイジャックされてワシントンD.C.郊外のアメリカ国防総省の建物に突入、さらにハイジャックされたユナイテッド航空の旅客機がペンシルヴァニア州シャンクスヴィル郊外に墜落しました。これにより合計3000人近くの人が死亡し、6000人以上が負傷しました。いわゆるアメリカ同時多発テロ(発生当時はアメリカ中枢同時テロという言い方もありました)です。この事件は1941年の真珠湾攻撃以来、アメリカ本土が受けた未曾有のテロ攻撃として全世界を驚愕させました。

 これを機に、ジョージ・ウォーカー・ブッシュ大統領率いるアメリカ政府は「テロとの戦い」に動き出します。同時多発テロの翌月、事件の首謀者とされたウサマ・ビンラディン率いるテロ組織「アルカイダ」を匿っているとしてアフガニスタンのタリバン政権に犯人の引渡しを要求しますが、タリバン政権がこれを拒否したため、報復としてアメリカはイギリスとともにアフガニスタンを攻撃し、11月にはタリバン政権を崩壊させます。翌年にはイラン・イラク・朝鮮民主主義人民共和国を「悪の枢軸」として非難しました。更にアメリカは大量破壊兵器を隠し、テロ組織に引き渡しているとしてイラクへの国連の査察を要求しました。しかし20033月、イラクのサダム・フセイン政権は査察に非協力的であるとして、アメリカはイギリスなどとともにイラクを攻撃し、フセイン政権も崩壊させます。日本では、当時の小泉純一郎内閣によりアメリカの一連の軍事行動を支持し、2001年にはテロ対策特別措置法、2003年にはイラク復興支援特別措置法を成立させます。これによりイラクに日本の自衛隊が主に占領地の復興支援やアメリカ軍への物的支援の目的で派遣されることになります。

 2001911日から、世界は新たなる局面を迎えました。アメリカは世界の警察となる道、そして世界最大の軍事国家の力を見せつける道をひた走りました。その一方でアメリカの強硬な態度に国内外から批判や反発が相次ぎました。イラク戦争の開戦直前には世界中で反戦デモが沸き起こりました。2004年にはイラクに大量破壊兵器が存在しなかったことが明らかになり、戦争の正当性が疑われることになりました。

しかし、アメリカ政府はそれでもイラクに駐留し続けています。アメリカ政府はアフガニスタン戦争やイラク戦争の目的の1つとしてその地域の民主化を掲げていました。そして占領地の治安維持のためとして軍が駐留しているわけです。

管理人としてはアメリカの民主主義が必ずしも完璧で正しいものとは思っていないので、この理由はアメリカの横暴であると考えています。というよりはアメリカは自分の意向に沿う政権を作りたかっただけなのではないかと考えます。そもそも力だけでテロをなくすことはできるのでしょうか。自分に逆らうものを排除するだけではテロを無くせません。

また、同時多発テロはアメリカ政府による謀略であったという説があります。これは世界貿易センタービルや国防総省の崩壊する様子や目撃情報、そして当時のアメリカ政府高官の行動をもとに、アメリカ政府が軍需産業を刺激するために、あるいはその他の目的で意図的にテロを演出したのではないかと考える説です。私はこの説を採用しませんが、これに異様な説得力は感じます。確かに考えてみればどうしてアメリカ政府は同時多発テロをイスラム過激派の犯行と断定し、すぐにアフガニスタンを攻撃し、しかも犯人が予想通りであったのか疑問が残ります。またカタールの衛星テレビ局「アルジャジーラ」にビデオレターまで送っているウサマ・ビンラディンをどうして逮捕できないのか疑問が残ります(2019年追記:2011年にウサマ・ビンラディンはアメリカ軍により殺害されました)。

2008年現在、アフガニスタンでもイラクでもテロが頻発し、状況が安定しません。アフガニスタンではタリバンが南部で勢力を強め、日本のNGOボランティアが殺害される事件が置きています。また、アメリカのみによる世界支配に反発する動きが続々と生まれています。ロシアがグルジアに侵攻しアメリカと対立し、冷戦の再来と報じられています。

2001911日はおそらく幾世紀が経とうとも歴史書に残ることとなるでしょう。しかし、テロとの戦いとして残されるか、アメリカの謀略から始まった侵略戦争として残されるか、はたまた21世紀の宗教戦争として残されるかは、今のところ分かりません。その結論が出るのは、少なくともこのウェブサイトが消滅した後でしょう。このウェブサイトの管理人の死亡後である可能性も十分にあります。

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