衆議院の解散・総選挙を捉えて

  1116日、衆議院が解散され、124日に第46回衆議院総選挙が告示されました。これにより正式に選挙運動が始まります。選挙運動は投票日前日の1215日まで続きます。2009年に民主党首班内閣が誕生して以来初の衆議院総選挙となります。

 2009年に民主党首班の鳩山由紀夫内閣が発足してから、菅直人内閣、野田佳彦内閣と移り変わりました。その間、民主党の政策は様々に変化していきました。総選挙におけるマニフェストに書かれていた、高速道路無料化、子ども手当、アメリカ軍普天間基地の県外移設などはほとんど実現されなかったか、実現までの段階で叶いませんでした。一方で、普天間基地の辺野古への移設が決定的になるに当たり、まず社会民主党が政権から離脱しました。また、民主党が政権を掌握してから、2010年の尖閣諸島沖漁船衝突事件、メドヴェージェフ大統領(2010年当時)の北方領土訪問など外交上の問題が噴出しました。今年に入ってから外交問題はさらに厳しい局面を迎えています。

 また、去年311日、東日本大震災が発生し、東北地方と関東地方で甚大な被害が出ました。現在も数十万人の被災者が避難を続けており、復興もあまり進んでいません。震災に伴って起きた福島第一原子力発電所の事故では広範囲にわたって放射性物質が放出され、人々に核汚染の恐怖を植え付けました。原子力エネルギーの廃絶を訴える声が大きなうねりを見せる一方で、政府、電力会社は着々と停止していた原子力発電所の再稼働を始めています。

 このような混乱の只中、政治勢力・政党が今回の総選挙を睨んで四分五裂を繰り返しています。以前から政治献金の問題を抱えていた小沢一郎元幹事長は自らの影響下にある議員とともに民主党を離党し、今年7月に新党「国民の生活が第一」を結成しました。新党きづながこの流れに加わった後、この党は11月に嘉田由紀子滋賀県知事により結成された「日本未来の党」に吸収されることとなりました。一方、石原慎太郎前東京都知事は11月に「太陽の党」を結成しましたが、橋下徹大阪市長が大阪維新の会を拡張した「日本維新の会」と合同することとなりました。このように、次の体制を見据えて政党が乱立しています。その中には民主党に失望あるいは絶望し、自らの政治信念を貫くあるいは落選をさけるために離党する議員たちの思惑もあるのでしょう。

 具体的にどの政党に投票すべきかをここで書くことは公職選挙法に抵触する可能性があるためしませんが、次の選挙で政治の行方を決めるのは有権者一人一人です。有権者の皆様はふるって参政権を行使なさいますようよろしくお願い申し上げます。

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