迷走、日本の二大政党

 自由民主党(自民党)と民主党が双方ともに危機に立たされています。民主党は小沢一郎代表の資金管理団体「陸山会」が大手建設会社(ゼネコン)「西松建設」から違法な献金を受けていたことが発覚し、小沢一郎代表の公設第一秘書が逮捕される事態となりました。自民党は麻生太郎内閣の支持率が20%を割り込み、定額給付金の問題で小泉純一郎元首相や小野次郎衆議院議員などが反対し、党内で分裂を引き起こしました。また、二階俊博経済産業大臣、山口俊一首相補佐官、森喜朗元首相などが前述の西松建設からの違法な献金を受けていた疑惑が浮上し、対応に追われています。

 企業の違法献金もなかなか巧妙です。西松建設は海外での事業で捻出した裏金を、西松建設を退職した職員が作った政治団体「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」を使って献金させていました。その巧妙さにはつくづく驚かされます。

 小沢一郎代表には金に関する疑惑(東京佐川急便事件など)は多くあるのでさほど驚きません。小沢一郎代表の周辺で田中角栄以来の金権体質が未だに続いていることが明らかになっただけです。麻生太郎内閣ももはや機能不全なのは明らかです。つまり日本の政界はほとんど機能不全を起こしていると言えます。

世論調査では麻生太郎首相と小沢一郎代表が共に30%もない支持率で次期首相に相応しいかどうかを争っていますが、どちらも相応しくないことが明らかになりました(私自身もどちらも相応しくないと考えています)。民主党そして小沢一郎代表は違法献金の存在を否定し、小沢一郎代表の続投を強調し、社会民主党も民主党をかばうような主張をしていますが、そのようなことをしても事件の悪影響が拡大するばかりです。自民党そして麻生太郎内閣も民主党の不祥事が露呈したため支持率をわずかに高めましたが、自らも不祥事に関わっていたことが発覚し安心することができません。二階俊博経済産業大臣も違法献金の存在を必死に否定していますが、根拠も示さずに頑なに否定すると悪影響は拡大するばかりです(小沢一郎代表も同様です)。違法献金が存在するならばその事実を認めて謝罪するなり辞職するなりの代償を支払うべきです。違法献金が存在しないならばその根拠を公的に示すべきです。いずれもしなければ国民の政治への信頼はますます失われてしまいます。

このウェブサイトを見ている人にもお願いがあります。今年、衆議院総選挙が行われるとき、見た目や知名度に惑わされず、政策をよく見て、自らが信頼できると思った候補に投票してください。もし候補の中に信頼できる候補がいないのであれば、自らが立候補することもできます。もう一つ、たとえ民主党の不祥事が発覚しても、自民党や麻生太郎内閣の体質が改良されたり、信頼性が上がったりすることにはならないことも忘れないでください(逆に自民党の不祥事が発覚した時も同様です)。

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