「良識ある国民の皆様、私たちは東日本大震災によって尊い命を奪われた方々のご冥福を心よりお祈りし、被災地の一日も早い復興と、すべての被災者の方々の生活が改善されることを願うとともに、東日本大震災を教訓に、危惧されている南海トラフ巨大地震、首都直下型地震に備えるため、東日本大震災の風化防止を訴えております、民族派愛国団体有志によります街頭遊説隊であります。東日本大震災から7年が経ち、震災を知らない子どもたちが増えてまいりました。あの未曾有の大災害を風化させないためにも、私達大人が語り継ぎ、後世に伝えていくことが大切なのではないでしょうか。我が国日本は、地震大国であり、危惧されている南海トラフ地震、首都直下型地震に備え、東日本大震災を教訓に防災意識を強く持たなければなりません。私達の記憶は、語られなければ薄れるものであります。まず被災地に行き、被災者の方々とどんな小さなことでも関わり、つながりを持つことが東日本大震災の風化防止になるのではないでしょうか。東日本大震災では全世界から200以上の国や地域、団体から多くの支援を受け、日本より遥かに貧しい途上国からも支援を受け、助けられたことを決して忘れてはなりません。当時の民主党政権は、震災発生直後の台湾による救助隊受け入れの要請を断りました。中国の主張する『一つの中国』に反することを恐れたからであります。・・・」

「共産主義、社会主義国と共謀する立憲民主党、民進党は国民を欺く・・・政党であり、国民の命よりも、自分たちの党利党略を優先する、まさしく国賊政党であります。私達国民は、政党を正しく選択することによって、政府の危機管理能力が左右されることを忘れてはなりません。・・・」

「本日ご当地において、脱原発を掲げるデモが行われようとしております。原発自体を悪だとする、この左翼集団、本当に原発が悪なのでしょうか。私達はその原発は悪ではなく、それにまつわる人間、政治家、東京電力に責任があると思っております。我が国日本は世界で唯一、原爆を落とされた被爆国であります。その被爆国だからこそ、この原発を安全に使うということを世界に教えていかなければならないと我々は思っております。・・・」

いかがでしたか。そして、どう感じましたか。

 「あの未曾有の大災害を風化させないためにも、私達大人が語り継ぎ、後世に伝えていくことが大切なのではないでしょうか。我が国日本は、地震大国であり、危惧されている南海トラフ地震、首都直下型地震に備え、東日本大震災を教訓に防災意識を強く持たなければなりません。私達の記憶は、語られなければ薄れるものであります。まず被災地に行き、被災者の方々とどんな小さなことでも関わり、つながりを持つことが東日本大震災の風化防止になるのではないでしょうか。」常日頃防災意識を持っておくことも重要ですし、過去の災害の記憶を継承することは大切です。今まさに阪神淡路大震災や先の大戦について記憶の継承が問題になっています。「天災は忘れた頃にやってくる」ものです(戦争は天災ではありませんが)。記憶の継承と防災のため私たち一人一人ができることをしていきたいですね。被災地と被災者の方に最大限の配慮をしつつ、被災地の方々と関わることはお互いのためになりますが被災地に行かずともできることはたくさんあるはずです。

当時の民主党政権は、震災発生直後の台湾による救助隊受け入れの要請を断りました。中国の主張する『一つの中国』に反することを恐れたからであります。」これは震災直後に台湾は救助隊の派遣を申し出て、日本政府は一旦受け入れるといったところを「受け入れ準備ができていない」として2日ほど待機させられたことを指しています。結局日本政府は中国の救助隊を受け入れた後、台湾の救助隊も受け入れました。他国の救援隊が次々と受け入れられる間に中国に配慮したのではないかという見方が台湾側から出たようです。すぐに台湾の救助隊受入れができなかったのは民主党政権の落ち度ですが、ここから学ぶことは国や地域の扱いにできるだけ差をつけないというところでしょうか。台湾は今年地震の被害を受けた際、中国の救援隊の受け入れを拒否しているわけですが、この点で感心しません。

共産主義、社会主義国と共謀する立憲民主党、民進党は国民を欺く・・・政党であり、国民の命よりも、自分たちの党利党略を優先する、まさしく国賊政党であります。私達国民は、政党を正しく選択することによって、政府の危機管理能力が左右されることを忘れてはなりません。」結局立憲民主党と民進党を批判したかっただけではありませんか。自民党であればうまく対応できたか、共産党であればうまく対応できたかを議論したところで何の意味もありません。むしろ為政者に依存する防災体制は有害ですらあります。東日本大震災を教訓にするのは重要ですが、その結果行き着く防災対策が「政権を担わせる政党をしっかり選ぶ」なのであれば、あまりにもお粗末です。

原発自体を悪だとする、この左翼集団、本当に原発が悪なのでしょうか。私達はその原発は悪ではなく、それにまつわる人間、政治家、東京電力に責任があると思っております。」原子力自体に正義も悪もありません。私は原子力の利用を必ずしも否定する立場ではありません。しかし、使用するリスクを利点とリスクをどう捉えるかという問題です。それを公正に判断するために、研究者も技術者も現象に誠実であってほしいですし、有権者も政治家も情報を真摯に受け止めて判断していただきたいです。少なくとも原子力発電のリスクは原子力核燃料のウランはほとんど輸入に頼っていることと、福島第一原子力発電所の事故によって示されています。そのリスクを承知で原発を再稼働させるか、永遠に放棄するかは有権者全員の判断です。リスクがゼロでなければだめならば原発を廃止するしかありません。

我が国日本は世界で唯一、原爆を落とされた被爆国であります。その被爆国だからこそ、この原発を安全に使うということを世界に教えていかなければならないと我々は思っております。」原爆を落とされた日本だけでなくとも、マーシャル諸島、フランス領ポリネシア、新疆ウイグル自治区、ウクライナなど冷戦時代に核実験場があった国、地域の方々も忘れてはなりません。安全に使うと言っても、事故を起こそうと考えて作業をしている人などいませんし、それまでの日本でも原発は安全に使われていたはずなのです。しかし、どれほど安全対策を徹底しようとも、事故が起こる確率をゼロにすることはできません(これは安全対策を軽視してよい理由にはなりません)。

確かに原発事故そのものでなくなった人は現在までいないのですが、それだけが原発事故の被害ではありません。史上最悪の原発事故であるチェルノブイリ原子力発電の事故ですら公式な死者は原発の作業員など30人ほどしかいないのです。除染作業で過労死したと認められた方はいますし、避難勧告が解除された今でも故郷に帰らず違う土地での生活を続けている方もいます。「原発事故で何人死んだんだ」などという「行動する保守」の言葉はそういった方々を無視した暴言でしかありません。

総じて見ると、東日本大震災の風化防止といいながら、当時の民主党政権への批判に終止しているような印象でした。もちろん当時の民主党政権の対応は問題がなかったとは言えず(当時の菅総理大臣が東京電力に乗り込んだことなど)、批判するべき点は多々あります。しかし、個々の政策がどうか、政権政党はどこがよいかなどという問いは未曾有の大災害の前では瑣末な問題でしかありません。阪神淡路大震災を経験して、その経験が生きたことが少なからずあります。災害対策は政権与党に託して自分は何もしないという態度ではなく、一人ひとりしっかりと日頃からできる防災対策をするべきではないでしょうか。阪神淡路大震災、東日本大震災でも分かる通り、選挙のときだけ政党を吟味しても、有事が起きたときにその政権がどのような対応をするのかは有権者にわかりませんし、有権者の判断が全て正しいかといわれれば必ずしもそうではありません。今年に入って西日本を豪雨が襲い、関西と北海道で地震が起こりました。安倍内閣は果たして適切な対応をしていると言えるでしょうか。どの政党が政権を担っていようが、被害を最小限に食い止められる防災体制を整備する必要があります。

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