この日の演説・シュプレヒコール

「・・・中共すなわち中国共産党が支配する中華人民共和国は敵国です。友好国などではございません。昭和47年9月29日、我が国は中共との国交を樹立しました。しかしながら今日までの間、我が国と共産中国が平和友好であった事実は一切存在しません。やれODAだ、やれ円借款だと、我々日本国民の血税をかすめ取り、本来平和利用されるべきはずの政府開発援助金が共産中国の手にわたり、核弾頭の量産、軍事力の拡大に利用されてしまいました。その結果我が国をはじめとする周辺諸国にまで大きな軍事的脅威を与える中共は全世界の敵、全人類の敵と言って過言ではありません。近年では不良中国人による凶悪犯罪が我が国国内で横行し、我々日本国民の生活を脅かしているのは重大な社会問題となっております。このように、我が国と中共との関係は、およそ平和友好とかけ離れているのであり、敵国であります。・・・」

「・・・先日、香港では多くの若者が共産中国には飲み込まれんと立ち上がり、逃亡犯条例の改悪阻止を勝ち取りました。行動の好き嫌いは別にしろ、彼らは命がけで戦いました。すぐ近くに住む彼らが共産中国に飲み込まれることがどれだけ危険なことかわかっている証拠でございます。共産中国は危険です。共産主義は危険です。・・・共産中国に平等は存在しません。共産中国に自由は存在しません。共産中国に平和は存在しません。共産主義は危険です。共産主義は敵です。共産中国は敵国です。・・・」

「・・・中共がウイグルや東トルキスタンなどの少数民族の浄化、すなわち殺人行為が毎日のように行われている現状があります。そのような殺人行為を日本人のみならず、全世界の人類が目を背けてはならない事実でございます。我々が声を上げることによって少数民族の浄化による犠牲者が、一人でも減ることを信じてこうして戦っているのであります。・・・」
 「共産主義を打倒するぞーーー!!!(にっちゅうこっこうだんぜつせよーーー!!!)」
 「百害あって一利なし、共産中国との国交を断絶せよーーー!!!(にっちゅうこっこうだんぜつせよーーー!!!)」
 「凶悪シナ人を叩き出せーーー!!!(にっちゅうこっこうだんぜつせよーーー!!!)」

「共産中国による内政干渉を許すなーーー!!!(にっちゅうこっこうだんぜつせよーーー!!!)」

「中共に苦しめられているすべての人民とともに我が国は連帯するぞーーー!!!(にっちゅうこっこうだんぜつせよーーー!!!)」

「中国は反日教育をやめろーーー!!!(にっちゅうこっこうだんぜつせよーーー!!!)」

「中国に進出している日本企業は即刻撤退せよーーー!!!(にっちゅうこっこうだんぜつせよーーー!!!)」

「我が国は南モンゴル独立を支持するぞーーー!!!(にっちゅうこっこうだんぜつせよーーー!!!)」

「我が国はチベット独立を支持するぞーーー!!!(にっちゅうこっこうだんぜつせよーーー!!!)」

いかがでしたか。そして、どう思いましたか。

中共すなわち中国共産党が支配する中華人民共和国は敵国です。友好国などではございません。昭和47年9月29日、我が国は中共との国交を樹立しました。しかしながら今日までの間、我が国と共産中国が平和友好であった事実は一切存在しません。」平和友好が何を指しているのかという問題はありますが、「一切存在しない」というのは右翼民族派が勝手にそう思っているだけでしょう。中国共産党が求心力を保つために意図的に「反日」を利用しているのは理解しますが、こちらが彼らの憎悪する「日本鬼子(日本人に対する蔑称)」を率先して演じる必要はありません。そもそも右翼民族派は中国と国交を断絶してその後どうするつもりなのでしょうか。

やれODAだ、やれ円借款だと、我々日本国民の血税をかすめ取り、本来平和利用されるべきはずの政府開発援助金が共産中国の手にわたり、核弾頭の量産、軍事力の拡大に利用されてしまいました。その結果我が国をはじめとする周辺諸国にまで大きな軍事的脅威を与える中共は全世界の敵、全人類の敵と言って過言ではありません。」政府開発援助金が平和利用されるべきというのはその通りなのですが、本当に軍事転用されているのでしょうか。その根拠を知りたいです。そもそも日本のODAや円借款には日本企業が経済援助の名目で中国に進出し、利益を上げた側面もありました。中国への円借款は2007年に終了し、ODAは2021年に全て終了する予定ですが、ODAや円借款を拠出した責任は日本政府にあります。しかし中国の核武装や軍事力の強化、東シナ海や南シナ海での覇権主義が到底容認できるものでないのは確かです。

先日、香港では多くの若者が共産中国には飲み込まれんと立ち上がり、逃亡犯条例の改悪阻止を勝ち取りました。行動の好き嫌いは別にしろ、彼らは命がけで戦いました。すぐ近くに住む彼らが共産中国に飲み込まれることがどれだけ危険なことかわかっている証拠でございます。」逃亡犯条例を撤回させた香港の若者たちの行動はとても勇敢で、誇り高いものであると感じます。その背景には中国共産党の強権支配への恐怖というものがあったのでしょう。しかし、中国共産党の一党独裁を破った先の理想は、自由と民主主義にありそうです。しばしばイギリスの植民地時代の旗を香港のデモで見ることもあり、「好き嫌いは別にしろ」とはそういったところでしょうか。

中共がウイグルや東トルキスタンなどの少数民族の浄化、すなわち殺人行為が毎日のように行われている現状があります。そのような殺人行為を日本人のみならず、全世界の人類が目を背けてはならない事実でございます。我々が声を上げることによって少数民族の浄化による犠牲者が、一人でも減ることを信じてこうして戦っているのであります。」「我々はチベット独立を支持するぞーーー!!!(にっちゅうこっこうだんぜつせよーーー!!!)」「我々は南モンゴル独立を支持するぞーーー!!!(にっちゅうこっこうだんぜつせよーーー!!!)」中国共産党にチベット人やウイグル人をはじめとする少数民族の弾圧は許されるものではありません。私はかつて、国内の少数民族が独立してからうまく国家経営できるか不安なあまり、少数民族の独立に懐疑的でした。しかし、この数年でウイグルの収容所や香港の活動を知り、それで中国国内の問題が見過ごされてはならないと考えるようになりました。中国共産党の一党独裁を終わらせるのは中国国民のなすことだとしても、その後の構想を考えることや国外から独立運動を支援することは思想に関係なくできるはずです。問題は、中国共産党はそういった少数民族の自治区における成果を強調するであろうということです。中国政府はチベット自治区や新疆ウイグル自治区に学校を作り、インフラを整備しました。その結果平均寿命は伸び、人口は増えました。私たちはこれにどう反論すれば良いでしょうか。

中共に苦しめられているすべての人民とともに我が国は連帯するぞーーー!!!(にっちゅうこっこうだんぜつせよーーー!!!)」上記の少数民族の方々だけでなく、民主化活動によって中国国外に亡命を強いられている活動家の方々とも連帯することに異存はありません。お互いに民主主義の運営者として研鑽を積めるとよいですね。

近年では不良中国人による凶悪犯罪が我が国国内で横行し、我々日本国民の生活を脅かしているのは重大な社会問題となっております。このように、我が国と中共との関係は、およそ平和友好とかけ離れているのであり、敵国であります。」「凶悪シナ人を叩き出せーーー!!!(にっちゅうこっこうだんぜつせよーーー!!!)」「不良」中国人とは誰のことでしょうか。確かに外国人犯罪の中で最も多いのは中国人(台湾人を含む)によるものです。しかし、そもそも外国人による刑法犯件数(2015年で1万6千件、中国人によるものは4千件)が犯罪全体の件数(2015年で約110万件)に対してわずかしかなく、ほとんどの犯罪は日本人によるものです。在日中国人は2017年現在70万人以上いますがほとんどは犯罪と無関係です。中国人への差別・排斥を煽ってはなりません。ましてや中国人犯罪と中国政府の思惑をつなげるなど妄想としか思えません。

中国に進出している日本企業は即刻撤退せよーーー!!!(にっちゅうこっこうだんぜつせよーーー!!!)」会社を今すぐ撤退せよと言われてどの企業が対応できますか。どの企業もできないでしょう。中国に進出している日本企業がとても困ったことになります。今や日本の大企業だけでなく中小企業も中国に進出しています。今や中国は世界第二位の経済大国で、世界の工場であるだけでなく、巨大な市場です。そこから撤退することが企業にとってどれほど重大なことか、右翼民族派は自分が使っているPCや携帯電話、自分が着ている衣類を確認して考えてみるべきではないでしょうか。

中国は反日教育をやめろーーー!!!(にっちゅうこっこうだんぜつせよーーー!!!)」確かに中国側の歴史認識は偏っているかもしれません。もし間違っていれば正すべきでしょう。しかし、日本の認識は偏っていないのでしょうか。右翼民族派の言う「半日でない教育」も歪曲されて偏っていると考えて差支えないでしょう。それに、中国が日本の歴史教科書の記述に干渉してはならないとするならば、右翼民族派の言う中国の「反日教育」に日本は口出ししてはならないことになりませんか。言うまでもありませんが、誰から見ても完全に公平な歴史は存在しません。しかし、それは自国(あるいは自分たち)に都合の良い歴史ばかりを教えてよいことではありません。

百害あって一利なし、共産中国との国交を断絶せよーーー!!!(にっちゅうこっこうだんぜつせよーーー!!!)」利があるからこそ中国との国交は絶えないし、考えられないのでしょう。アメリカのトランプ大統領も、関税の問題で中国に対し厳しい態度を示していますが中国をあくまで「取引相手」として見ているようです。

共産主義を打倒するぞーーー!!!(にっちゅうこっこうだんぜつせよーーー!!!)」現実に作られた共産主義国家の実情は別として、共産主義は本当に悪でしょうか。マルクスやレーニンが意図したことはどこにあるのでしょうか。これについてははっきりした答えはないのかもしれません。ベトナムやキューバなど他の共産主義国家はどのような状態でしょうか。そもそも右翼民族派の目指す理想は資本主義より社会主義・共産主義にこそ近いのではありませんか。

私はある反中共デーの徒歩デモに参加していたある方に「現状では日中国交断絶などできると思えない、中国のおかげで成り立っている日本企業がどれだけあるか、売国政治家と目される二階俊博幹事長も選挙で勝つために安倍総理大臣は切れないだろう」と伝えました。その方は「現状では日中国交断絶は不可能だと思う。実現するためには戦後体制を打倒するしかない。」と答えました。おそらくその通りであると感じるのですが、とても難しいことであろうと感じます。

総じて見ると、香港の市民運動を受けて加えられた部分と、これまでの反共・反中国一辺倒の反中共デーの主張が混ざったいびつなものとなっていました。香港の市民運動の根底あるのは自由と民主主義であり、日本で彼らと最初に連帯しようとしたのはかつて自由と民主主義のための学生緊急行動(SEALDs)などで活動していた方々でした。民主主義ではなく、祭政一致・一君万民の家族国家(かつて赤尾敏元大日本愛国党総裁は自らの理想を「天皇陛下を頂点とした社会主義」とまで表現しています)を目指している右翼民族派はこれをどのように受け取っているのでしょうか。香港のデモにおいて時々イギリス植民地時代の旗を見かけることは気になりますが、私は自由と民主主義の観点から香港市民の行動を支持します。今年11月に行われた香港の区議会選挙では、過去最高の投票率で民主派が議席の8割以上を獲得し、親中派を圧倒しました。中国本土でも香港市民の行動に影響を受けたと思われる活動が見られ、香港市民の闘いがこのまま広がっていくことに私は期待しています。ゆくゆくは中国共産党による一党独裁体制が崩壊し新たな中国を中国国民が築き上げていくことを願うばかりです。

香港の市民運動や少数民族の弾圧や尖閣諸島や南沙諸島の問題における中国政府の強硬な対応は非難に値しますが、その一方で感情に任せて互いに罵倒を繰り返しても日中間の問題の解決は遠のくだけです。日本と中国が戦争するとなれば再び泥沼の戦いとなりかねないため、日中が抱える問題を解決するためにはやはり日中双方が毅然としてかつ冷静な態度で粘り強く対話をしていくしかないのでしょう。

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