2020年3月27日の演説・シュプレヒコール

この日の演説・シュプレヒコール

「・・・昨年のあいちトリエンナーレ2019にで行われた表現の不自由展その後において大村知事が容認した天皇陛下の御写真をガスバーナーで焼き、それを土足で踏みつけるという、およそ日本人には到底考えられないものが展示されていました。当然日本中から抗議や非難が殺到しましたが、表現の自由を盾に、こともあろうか展示中止も謝罪もなく、逆に居直っていた実行委員会委員長・大村秀章という男をこのまま愛知県知事にしておいてよいのでしょうか。大村はいまだ何食わぬ顔で、のうのうと愛知県民の税金で高額な報酬をもらい続けているのであります。・・・」

「名古屋に中国人特区を企てる大村は国賊だーーー！！！（こくぞくだーーー！！！）」

「大村はチョッパリピースの意味を説明せよーーー！！！（こくぞくだーーー！！！）」

「反日のために使われた税金を愛知県民に返納せよーーー！！！（へんのーせよーーー！！！）」
　「大村！！！（やめろ！！！）大村！！！（やめろ！！！）大村！！！（やめろ！！！）」

いかがでしたか。そして、どう感じましたか。

「昨年のあいちトリエンナーレ2019にで行われた表現の不自由展その後において大村知事が容認した天皇陛下の御写真をガスバーナーで焼き、それを土足で踏みつけるという、およそ日本人には到底考えられないものが展示されていました。」問題の作品「遠近の彼方に」は1986年の公開当時、多くの批判を浴びて作者が焼却処分したもので、最初から天皇批判が目的の作品だったわけではないようです。いかなる形であれ昭和天皇の顔写真を燃やす内容の作品を右翼民族派が許せないというのは作品への評価として否定されるものではないとしても、私は特に何も感じません。天皇が否定されて、右翼民族派は自分が否定されたと受け取るかもしれませんが、私を否定することになりません。

「当然日本中から抗議や非難が殺到しましたが、表現の自由を盾に、こともあろうか展示中止も謝罪もなく、逆に居直っていた実行委員会委員長・大村秀章という男をこのまま愛知県知事にしておいてよいのでしょうか。」表現の不自由展その後が開幕した直後から抗議は止みませんでしたが、ガソリンを撒くというFAXを送り付けるのは抗議とは呼べずただの脅迫です。その意味においては大村知事の言う「表現の自由」というのは間違っていません。表現を取り下げさせたいならば、誰かの権利が侵害されたことを示して裁判に訴えればよいのです（もちろん皇室の方々に人権が認められているかという議論はあります）。「日本人としてあり得ないから」だけで表現の自由を制約しては誰も何も表現できなくなってしまいます。

その一方で、予想できた事態に対して有効な対策を打たず、8月初頭、展示を取りやめたことは敵前逃亡に等しいと私は感じます。表現の自由とは自分の表現が批判されない権利ではありません。何かを表現すれば批判されることも当然ありますし、シャルリーエブドの例を出すまでもなく、場合によっては命を狙われることさえあり得るのです。津田氏も大村知事も自分があいちトリエンナーレの責任者として批判の矢面に立ち、表現の自由を守る気概が果たしてあったでしょうか。

「・・・この混乱を招いた張本人である大村秀章は愛知県知事の職務を行うのに対して不適合者である、だから我々は辞職を求めて抗議活動を展開しておるのでございます。この大村愛知県知事は堂々と愛知県民の税金で高額な報酬をもらい続けております。このような不適合者愛知県知事大村は即刻辞職しなければなりません。愛知県の名誉のため、名古屋市の名誉のためにこの男を知事から引きずり下ろしましょう。・・・」「反日のために使われた税金を愛知県民に返納せよーーー！！！（へんのーせよーーー！！！）」「大村！！！（やめろ！！！）大村！！！（やめろ！！！）大村！！！（やめろ！！！）」これも妙な話で、問題の作品を世に出したアーティストや津田大介氏を直接批判するならまだ理解できるのですが、おそらく作品を審査する権限もなく、そもそもどのような作品が展示されるか把握していたかも怪しい大村知事がどうして真っ先に批判されるのでしょうか。あいちトリエンナーレの実行委員長としての責任は確かにありますが、出展される個々の作品に対して大村知事自身が目を光らせることがその責任を果たすことになるのでしょうか。それではただの作品に対する検閲になってしまいます。大村知事が辞任（落選）するかどうかは愛知県の有権者の判断を待つしかありません。

「外国人企業から献金を受けていた大村は国賊だーーー！！！（こくぞくだーーー！！！）」これについての情報を調べてみましたが、確たる情報源が見当たらず、何のことを言っているのかわかりませんでした。在日コリアンが経営するパチンコ関連企業から献金を受けていたという根拠不明な情報があるようですが、真偽のほどは一切わかりません。そのような不確かな情報で人を批判していては名誉棄損で法的措置を取られてしまいます。

「大村はチョッパリピースの意味を説明せよーーー！！！（せつめいせよーーー！！！）」おそらく下の画像で大村知事がとっているポーズを指していると思われますが、「チョッパリピース」なるものの意味など逆に大村知事が知りたいと思いますよ（笑）。見る限りただのピースですし、あいちトリエンナーレ2019のロゴを真似たものとみられます。

こちらより引用

ここで言われる「チョッパリピース」とは韓国人が日本人を侮辱する際にとるポーズというネットスラングです（詳細はこちらの記事をご参照ください）。そのようなものの存在が証明されておらず、ほとんどデマと言われています。ネット上に「チョッパリピース」として出回っている画像は手の形が同じではなく、その多くがこじつけと思われます。韓国には「Kセレモニー」というハンドサインが存在するらしいですが、そこに日本人を侮辱する意味はなさそうです。ネット上のデマを安易に信じて喚き散らすなど浅はかでしかありません。

「名古屋に中国人特区を企てた大村は国賊だーーー！！！（こくぞくだーーー！！！）」これは大村知事が2015年に策定した「外国人雇用特区」のことでしょうか。これは外国人労働者とその家族を受け入れ、日本語教育の機会や社会保障を提供するというもののようです。少子高齢化による労働力の減少が顕著になっている現在、短期的に労働力を確保するには外国からの移民を受け入れるしかありません。そのためには労働者として日本国民と同じ労働条件を保証しなければなりません。理解力の問題なのか私には問題点が理解できません。

総じてみるに、最も話題となっていた「平和の少女像」についてほとんど触れられておらず、シュプレヒコールには真偽不明のネット情報がちりばめられている、何のためにしているのかよく理解できない街宣となっていました。何の都合で動いているのか背景が気になります。

大村知事は特段無能なわけではないのでしょう。しかし特段有能なわけでもなく、津田大介氏共々緊急事態には弱いのかもしれません。現在の新型コロナウイルスの流行に対する対応でも、4月初めまでは感染拡大を過小評価して小中高校を再開しようとしていたところから、一転して緊急事態を宣言しているところから、目まぐるしく変わる状況に右往左往している様子が伝わってきます。少なくとも小池百合子東京都知事や吉村洋文大阪府知事、鈴木直道北海道知事のようにリーダーシップ（を発揮しているように見せる技術）は持ち合わせていないように見えます。この緊急事態において、大村知事は変に小細工をせず、指針を立ててその下に一貫した行動をしていただきたいです。

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