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島根県の竹島の日 ―編入か侵略か―

1905222日、竹島は島根県に編入されました。これにより竹島は日本領となりました。以来この日は竹島が日本領であることを裏付ける重大な根拠となってきました。2005年、竹島編入100周年を記念して、島根県議会はこの日を竹島の日とする条例を可決しました。この条例に対して韓国では反発が広まり、盛んに抗議デモが行われました。以来、2008年に日本の教育指導書に竹島の記述があったことに抗議するデモなどに見られるように、たびたび韓国の人々は日本の竹島に関する行為に反発しています。

1905年の編入について、日本はこの編入を国際法に則ったものであると主張しています。他方韓国は、この編入を1910年の韓国併合に先立って行われた侵略であると主張しています。どちらも主張を正しいとして譲っておらず、議論は平行線をたどったままです。

島根県ではこの日、竹島の他北方領土の返還に向けて、竹島・北方領土返還要求運動県民大会を開催し、保守派国会議員も参加しています。右翼民族派の中にはこの日も竹島の返還や対馬列島の死守を主張して韓国大使館や韓国領事館に対して抗議活動をする団体もあります。しかしその数は1028に比べれば多くありません(そもそも新右翼などを除き、一般の右翼民族派が竹島の領有権を問題にし始めたのは冷戦が終結し、反共と言う共通目的がなくなった頃で、比較的最近になってからです)。

竹島の帰属権の問題の内容は領土問題竹島奪還デのページで述べたとおりですので特にここでは改めて書きませんが、領土問題は歴史認識や文化の違いもあるため、解決にとても長い時間がかかりそうです。私としても竹島が日本に返還されるのが望ましくはあります。しかし韓国もそう簡単には手放せないでしょう。領土はないよりある方が良いのですから。領海はないよりある方が良いのですから。領土・領海のために民族感情をあおり過ぎてお互い後に引けなくなってしまったのかもしれません。一方的にこちらが正しくあちらが間違っていると主張していても解決しません。おそらくどちらの主張にも正しい部分があり、どちらも間違っている部分があるでしょう。領土問題は粘り強く主張やその主張に至る構造の違いを明らかにして、その齟齬を解消しながら粘り強く交渉を続けていくしかありません。領土問題や歴史問題に限らず、ただ一つ明らかに間違っていることがあるとすれば、主張の違いに衝突した時、相手国の国民や国民性をひたすら侮辱し、差別することです。

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